協道結婚
なんとかベッドへ誠を運ひ終えた。

(意外と重いのね)

意識のない人の体は重たい。

(バスローブかぁ…ま、いっか)

そっと布団を掛ける。

(軽っ!)
誠が用意した高級寝具セットである。
バスローブも肌触りが気持ちいい。

(私も…これでいっか!)

寝室にある鏡台の前で、髪を乾かす。
とてもあの洗面台には行けない。
(やっぱり、ここには何か「いる」)

インテリアスタンドを挟んで二つのベッド。
そのもう一方へ腰かけ、誠を眺める。

(寝顔…可愛い💕 ムフっ!)

いつもの日記を取り出し、いつもの倍の大きさの💖をはる。

と…

「静華っ❗️」

「わぁっ❗️」

突然叫んで半身を起こした誠。

「もう。ビックリさせないでよ〜」

「あれ?ベッド?」

少しずつ状況が把握できてきた。

「確か…あの時…」

「あっ。あのね、誠転んで頭打って気を失ったのよ。ベッドへ運ぶの大変だったんだからぁ。勘弁してよね」

全て見られてしまった恥ずかしさに、必死でごまかす可愛い乙女。

「そ、そうだったのですか。すみません」

それに合わせる誠。

「頭大丈夫?」(ほっ)気づかない静華。

「はい。大丈夫です。もう遅いですし、寝ましょうか」

そう言って、立ち上がり、部屋の電気を消す。
そして、窓際に立ち、月を見上げる。

「ふっ」(✨微笑み✨)

色々あったが、誠にとっては、大人になって、初めて幸せを感じた1日であった。

無造作にバスローブを脱ぐ。

(えっ❓)

ベッドサイドの小さな灯りが、その姿を映し出す。

細い体。
綺麗な背中。
引き締まった小さなおしり。
スラリと長い脚。

思わず見とれてしまった静華。

「あのラブさんから教えてもらったんです。寝る時は、何も身につけないほうが自然体になれて安らぐって。彼女は、自分の部屋やホテルの部屋では、いつも裸なんだって。彼女らしいですよね。気になりますか?」

背中を向けたまま問う。

「べ…別に…大丈夫です。ご、ご自由に」

気にならないわけはない。
我に返った鼓動は、激しく脈打っていた。

「それは…良かった」

「シャー」
カーテンを閉め、ベッドへ入る誠。

(ドキドキ💓)

誠がいる。
隣のベッドに誠がいる。
それも…全裸の誠がいる💘

…そっち系には行かないのでご安心を。
…ガッカリしてたりして?

「静華。初めてですね」

「はい。初めてです」

「こうゆうのって、巷(ちまた)では、初夜…って呼ぶんですよね?」

初夜に巷も宮殿も関係ない。

「初夜…って言っても、協道作業の一つだし…」
(ドキドキ💓)

「そうですよね…ならば教えてください」

(ドキん!)

「何を見たのです?気絶する程のものって」

(そっちか〜❗️…えっ❓そっち❓ん❓あっち❓…えぇ〜❣️❣️)

忘れられない記憶が蘇る。

「それは…あの……ご立派な…🍄💦 わ、私の口からはとても…言えません」

ふかふかお布団の中で赤面する静華。

誠の求めているものは決して🈲ではない。
ただ…確かに気絶したのは…そっちか。

「そんなに怖かったのですか?」

誠の中では、想像した恐怖が膨らむ。

「え、いえっ。別に怖…くは…」

いい加減に気付いてもよいものである。

「私には霊感ってものがないんです。静華は人の気の流れが分かるぐらいだから、見えたんでしょうね」

(そっちでしたかぁー❗️)(静華)

当たり前である。
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