イケメン総長は、姫を一途に護りたい
でも、光さんはわたしを喜ばせるためにしてくれているから、そんな顔は見せられなかった。



今日で夏休みが終わる。

明日から、2学期だ。


千隼くん、…戻ってくるかな。


早く千隼くんに会いたい気持ちがある一方で、どんな顔をして会えばいいのかわからない不安もあった。


だって千隼くんは、わたしといっしょにいたくないから。


『行けっつってんだろ!俺も、ようやく慧さんの頼みから解放されて、清々してんだよっ!』


あのときの言葉のトゲが、今もわたしの胸に刺さったままだ。



夏休み最後の朝。

ぼんやりと部屋で過ごしていたら――。


部屋のドアがノックされる。


もしかして…千隼くん!?


そう思って振り返ったのだけれど、ドアを開けて入ってきたのは、校長先生だった。


「…校長先生?どうしたんですか?」
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