イケメン総長は、姫を一途に護りたい
わたしはいつもより早く起きて、学校へ行く準備をしていた。


「咲姫。皇蘭中学の制服も似合ってるな!」

「ありがとう」


そういえば、お父さんはわたしの制服姿を見るのは初めてだ。


ふと時計を見ると、バスの時間が迫っていた。


「…お父さん!わたし、そろそろ行かないとっ」


慌てて、朝ごはんの食パンを口に詰め込む。


詰め込みすぎて、途中でむせそうになった。

そんなわたしを見て、お父さんがお茶の入ったグラスを差し出す。


「咲姫、なにをそんなに急いでるんだ?」

「だ…だから、バスの時間がっ…」

「お前、バスに乗ってなんか行かないだろ?」


…え?

お父さん、なにわけのわからないことを言って…。


わたしの家から皇蘭中学までは、バスで駅まで行って、そこから電車に乗らなければならない。
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