イケメン総長は、姫を一途に護りたい
だから、さっき――。


『でもな、咲姫。お前は1人にはさせないから、安心していいぞ』


って言っていたんだ。


「咲姫が家から出るときは、千隼をつかせる。それなら、変なヤツが寄ってくることもないしな!」


確かに、慧流座の総長がそばにいてくれたら、近寄ってくる人はいないだろう。


心配性のお父さんらしい考えではあるけど…。


「…それはさすがに、千隼くんに迷惑じゃない?」


千隼くんだって、だれかと遊びたいときや、どこかに行きたいときだってあるだろうし。


…常にわたしといっしょっていうのは。


だからてっきり、すぐに断られると思いきや――。


「いや、それが慧さんの頼みなら」


あっさり承諾してしまった…!


「そういうことだからな、咲姫。2人で仲よくやってくれ!信頼してる千隼だから、お父さんも安心だ〜」
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