イケメン総長は、姫を一途に護りたい
だから、そのバスの時間が迫っているから、こうして慌ててるっていうのに――。


「じゃあ、あれはなんだよ?」


そう言って、お父さんは親指を立てて、クイックイッと窓のほうを指さす。

外を見てみろという仕草だ。


わたしは何気なく、レースカーテンの隙間から外を覗いた。


するとそこに見えたのは、わたしの家の前に停まる…大きな赤いバイク。


そのバイクに跨っている人は、ダークブラウンのヘルメットを被っていて。

その隙間から見えるのは、プラチナブロンドに染め上げられた明るい金髪。



「…光さん!?」


わたしは、慌てて家から飛び出した。


驚いたことに、わたしの家の前にいたのは、寮生活をしているはずの光さんだった。


「どうして、光さんがわたしの家に…」

「しばらくは実家から通うって聞いたから、迎えにきたんだよ」
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