イケメン総長は、姫を一途に護りたい
二階堂さんはバイクから降りて、お父さんに頭を下げる。


「慧さんのお噂はかねがね伺っております」

「そりゃそうだろうな。お前んとこの初代総長とは、昔バチバチしてたからな」


お父さん、光さんが亜麗朱の総長だって知っているんだ。


口調は穏やかだけど、『亜麗朱総長』を前にしているからか、なんだかいつものお父さんと雰囲気が少し違う気がする。


それに…今思ったら、わたしの用心棒が千隼くんから光さんに変わったことは、お父さんは知らないはず。


亜麗朱の総長が、いきなりわたしを家まで迎えにきたとなったら、お父さんが黙っているわけがない…!


「おっ…お父さん、ちょっと待って」

「なにを待つんだ?」

「光さんがわたしを迎えにきたのには、わけがあって…」


…なんて説明しようか。

どうしたら、お父さんは納得するだろうか。
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