イケメン総長は、姫を一途に護りたい
「咲姫。アイスとゼリー、どっちが食べたい?」

「…今は、アイスかなっ」


手渡されたのは、バニラアイス。


だけど、力が入らなくて、フタを取ったあとにあるビニールが、なかなか剥がせない。


「貸してみな」


千隼くんは、代わりにビニールを剥がしてくれた。

そして、スプーンをアイスの表面に刺したかと思ったら――。


「んっ」


そう言って、アイスをすくったスプーンをわたしの顔の前に差し出した。


…え?

これって、もしかして…食べろってこと?


少し戸惑いながらも、小さく開けた口でアイスを頬張る。


わたしの熱い口の中で、一瞬にして溶けてしまったアイス。

それが、今の火照った体にはすごく染み渡る。


「よくできました」


スプーンをくわえるわたしを見て、千隼くんが微笑んだ。
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