イケメン総長は、姫を一途に護りたい
そう言って、千隼くんはわたしのそばに寄り添ってくれた。



本当に千隼くんは、病気のわたしのためになんだってしてくれる。


自分のことはそっちのけで、わたしのために氷枕を交換しに行ってくれたり、汗を拭いてくれたり、ちょっと水を飲みたいときですら駆けつけてくれる。


なにもできない自分が、情けない。

今日は、千隼くんの大切な誕生日だっていうのに…。


プレゼントは用意できていないし、千隼くんの時間は潰しているし――。

そんなことを考えていたら、熱を出してしまった自分に無性に腹が立ってきて…。


「ほんと…ごめんね。千隼くんっ…」


気づいたら、ボロボロと涙が溢れていた。


突然泣き出したわたしを見て、驚く千隼くん。


「…咲姫、どうした!?どこか痛いか!?苦しいか!?」


その問いに、わたしは首を横に振る。
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