イケメン総長は、姫を一途に護りたい
…違う。

そんなんじゃない。


「…わたし、千隼くんの彼女…失格だ」


彼女なのに、なにもできない。

彼女なのに、迷惑かけてばかり。


…こんなの、『彼女』だなんて言わないよ。


「なんでそうなるんだよ…?俺の彼女は、咲姫以外ありえねぇからっ」

「…だってだって!今日は千隼くんの誕生日だっていうのに、わたし…なにも彼女らしいことしてあげれてないっ…」


千隼くんを喜ばせようと、たくさん計画していたのにっ…。

喜ばせるどころか、わたしが負担になってしまっている。



すると、泣きじゃくるわたしの頭の上に、千隼くんがポンッと手を置いた。


「…誕生日?そんなこと、すっかり忘れてた」


今日が自分の誕生日だったことに今気づいたのか、千隼くんは照れくさそうに笑う。


「そんな俺の誕生日を覚えてくれてたんだから、咲姫は正真正銘、俺の彼女だよ」
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