イケメン総長は、姫を一途に護りたい
そして、わたしの頭をそっと自分の胸へ抱き寄せた。


千隼くんの鼓動が聞こえる…。

これを聞いてたら、すごく落ち着く。



「本当は、いつもより少し早起きして、『ハッピーバースデー!』って言って、千隼くんを起こしたかったの…」

「うん」

「それで、誕生日プレゼントも渡したかったの…」

「うん」

「でも実際は、体がだるくて起きられなかったし、誕生日プレゼントも用意できてないの…。だから、もう…ほんと最悪で」


言い訳みたいになって恥ずかしい。

千隼くんが自分の誕生日を忘れていたとはいえ、わたしから聞かされたら、プレゼントだって期待したはずだ。


それなのに、千隼くんは怒りもせず、悲しみもせず、わたしの頭を撫でてくれた。


「咲姫が、そんなこと考えてくれてたってだけで、すっげーうれしいっ」
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