イケメン総長は、姫を一途に護りたい
お母さんが入院している病院とは、今の家から通うよりも、寮から通うほうが格段に近くなる。


だから、まぁいっか。



〈それに皇蘭中学は、千隼も通ってるからな〉

〈そうなのっ?〉


電話をしながら、チラリと千隼くんのほうに目を移す。

すると、電話の内容がだいたいわかっているのか、千隼くんはわたしに向かってコクンと頷いた。


〈これで、わざわざ千隼を呼び出さなくたって、いつでも咲姫のそばにつかせることができるしな!〉


…その点に関しては、わたしもありがたかったりする。


千隼くんは「いつでも駆けつける」と言ってくれているけど、わたしは『今、大丈夫かな!?』『忙しくないかな!?』と、考えながら電話したりしているし…。



急すぎる転校だけど、皇蘭中学の校長先生は、快くわたしを受け入れてくださったよう。
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