イケメン総長は、姫を一途に護りたい
どうやら、先生のたったそれだけの言葉で、言うことを聞く気になったらしい。


先生が、手懐けるのがうまいというか…。

クラスメイトのみんなが、単純というか…。


「よしっ。みんな席についたことだし、紹介しようかな?」

「…紹介?」

「もっ…もしかして!!」

「楡野さ〜ん、入ってきてください」


教室から先生の声が聞こえた。

わたしの緊張は、最高潮に達する。


数回大きく深呼吸をすると、ドアに手をかけた。



教室に入ったときから、クラスメイトの視線が刺さっているのが、嫌というほどにわかる。

わたしは俯き加減で、教卓のところにいる先生のそばへ足早に向かった。


「今日からこの学校に転入してきた、楡野咲姫さんです」

「…にっ、楡野…咲姫です。どうぞ、よろしくお願いします…!」
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