イケメン総長は、姫を一途に護りたい
どうりで学校に入ってから、周りが驚いた顔をして、わたしのことを見ると思ったら――。

校内に女の子がいるのが物珍しかったからだ。


これで、腕っぷしが強そうな男の先生たちが多いのにも納得がいく。



「え〜っと。それでは、楡野さんはどこに座ってもらいましょうか」


白富士先生は、教室内をキョロキョロと見渡す。


「先生!ここ、ここ!!おれの前の席がいいと思います!」

「いや、こっちだ!咲姫ちゃん、こっちこっち!」


みんなが、わたしに向かって手招きをしている。

だけど、わたしの体は1つしかないのだから、そんないろんなところにはいけな――。


ガッシャーーーーンッ!!


突然、けたたましい音が鳴り響く。

その音に反応して、騒々しかった教室内が、一瞬にして静まり返った。


驚いたみんなが、一斉にある方向へと目を向ける。
< 72 / 288 >

この作品をシェア

pagetop