総長、私のリボンほどいて。🎀
「ありす!」
氷雅お兄ちゃんが私を右腕で抱き止める。
「危ねぇな」
「靴、ちゃんと履けよ」
氷雅お兄ちゃんは、ぶっきら棒な口調で言う。
「うん、ごめんなさ…」
「お前、シャンプー変えた?」
氷雅お兄ちゃんが真剣な眼差しで尋ねてきた。
私はドキッとする。
「あ…うん…」
「今まではフルーティーな香りだったけど」
「夏だし爽やかな香りの方がいいかなって…」
え……氷雅お兄ちゃん怒ってる?
「そーかよ」
「遅刻する。行くぞ」
「あ、うん」
私は黒のふわロングのウィッグに触れる。
シャンプー変えたのマズかったかも……。