総長、私のリボンほどいて。🎀
え、電話が鳴って……。
私じゃない。
月沢くんは顔を上げると、ズボンからスマホを取り出し、右耳にスマホを当てる。
『怜王、息してる?』
「望先輩」
『彼女から返事はもらえた?』
「はい、会ってもいいって」
『そうか。ならもうすぐ例の場所通るから』
『ちゃんと連れてくるんだよ』
「はい」
月沢くんはそう言うと、電話を切った。
望先輩、穏やかな声してたな…。
私はそう思いながらリボンをきゅっと結び直す。
「月沢くん、リボン大丈夫かな?」
「…あぁ」
私達は、はしごの前に置いた鞄をそれぞれ右肩にかける。
「…星野、時間がない」
「…行こう」
「うん」