総長、私のリボンほどいて。🎀


「はぁっ、はぁっ…」
 15分後。私達はカフェとアクドナルドを駆け抜け、コンビニ前の横断歩道に着いた。

 2車線道路を挟んだ反対側の歩道にはイスタードーナッツとファミレスがある。

月沢(つきさわ)くん、(のぞむ)先輩は?」
 私が息を整えながら尋ねると、月沢(つきさわ)くんは目線で(のぞむ)先輩を探す。

 どうか、どうか、見つかりますように。

 2車線の道路を2台の車がすれ違い様に走り抜けた。

「…星野(ほしの)
 月沢(つきさわ)くんはそう呼んで、反対側のファミレスを見る。

「あっ……」

 背の高い男の子が見えた。

 セミショートの黒髪にキャップを被り、
 穏やかで物静かな面差しに落ち着きと聡明さを漂わせていて、
 その隣には男性がいる。

「あのキャップの人が(のぞむ)先輩?」

「…あぁ」

「隣の人は?」

「…監察官」

 私はもう、何も言えなかった。

 (のぞむ)先輩が私達に気づき、見つめ合う。
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