総長、私のリボンほどいて。🎀
ふわり。
月沢くんの左手が私の右手に触れた。
ぎゅっと恋人繋ぎをする。
優しい風が吹き、
望先輩の髪が靡く。
望先輩は穏やかな顔で笑った。
月沢くんは泣きそうな顔を浮かべる。
2車線の道路を一台の車が通り抜けた。
望先輩と監察官の男性がイスタードーナッツの方に歩いて行く姿が見え、月沢くんは頭を下げる。
望先輩達の背中が小さくなっていき、やがて姿が見えなくなった。
月沢くんを見ると、顔に右手を当てて、泣いていた。
それを見て、私も涙を流す。