総長、私のリボンほどいて。🎀

 そして数分後。

月沢(つきさわ)くん、はい」
 コンビニから出て来た私はサワー味のアイスキャンディーの袋を手渡す。

「…お前の分は?」

「私は大丈夫」
月沢(つきさわ)くんと初めて外に出掛けられて」
(のぞむ)先輩に会えて嬉しかったから」

 私が優しく微笑むと月沢(つきさわ)くんはアイスキャンディーの袋を破る。

 アイスキャンディーを取り出してガリッとかじり、なぜか私の顎を持つ。
 びっくりして口を少し開けると月沢(つきさわ)くんはそのまま唇を塞いだ。

 アイスキャンディーが口の中でふわりと溶けて、
 甘酸っぱい感覚に襲われる。

 私の心に絡まったリボンが甘く弾けて、止まらない。
< 156 / 480 >

この作品をシェア

pagetop