総長、私のリボンほどいて。🎀


 夜。私は帰りの電車のソファーに座りながらスマホを見ていた。

 まだ胸、ドキドキしてる。
 いつもより帰るの遅くなっちゃった…。
 氷雅(ひょうが)お兄ちゃんになんて言おう…。

 ガコンッ。
 車内が大きく揺れる。

 バランスを崩し、隣の男の子の肩にぶつかった。

 男の子は背が高く、クリーム色の髪をし、甘い顔をしている。

「あ、すみませ…」

「ううん」
「きみ、もしかして飾紐(りぼん)高校?」

「え、なんで…」

「セーラーにピンクのリボンの高校ってなかなかないし、そうかなって」

「はい。飾紐(りぼん)高校です」
「あなたは書庫蘭(しょこら)高校?」

「え、なんで分かったの?」

「お兄ちゃんが通ってて…」

 私はハッとする。

 月沢(つきさわ)くんに氷雅(ひょうが)お兄ちゃんの写メ見せたらだめって、絶対秘密だって言われてたのに。
 氷雅(ひょうが)お兄ちゃんのこと話したらマズいんじゃ…。
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