総長、私のリボンほどいて。🎀

 月沢(つきさわ)くんは私を離す。

「…大丈夫みたいだな」
「…次は鞄見てみるわ」
 月沢(つきさわ)くんは鞄のファスナーポケットとオープンポケットを調べていく。

 右脇ポケットまで何もないことを確認すると、最後に左脇ポケットの中に右手を突っ込む。
「…!」

月沢(つきさわ)くん?」

 月沢(つきさわ)くんは左脇ポケットから右手を抜く。
「…何もなかったわ」

 私はほっとする。
「そっか、良かった…」

「…ここ、暑すぎるな」
 月沢(つきさわ)くんはそう言って立ち上がると私に手を差し出してきた。

 私はぎゅっと手を掴んで立ち上がると一緒に扉の裏のはしごの場所まで移動する。

「…日陰で涼しいわ」
「…悪いけどちょっと寝る」

 しゅるっ。
 私は月沢(つきさわ)くんのネクタイを一瞬でほどいて、
 唇を重ねた。

 月沢(つきさわ)くんは両目を見開く。
< 166 / 480 >

この作品をシェア

pagetop