総長、私のリボンほどいて。🎀

 月沢(つきさわ)くんは見つめながら私のウィッグを取る。
 そして自分のウィッグも取った。

 金髪と白髪。

 本当の私と月沢(つきさわ)くんがあらわになる。

 ドサッ…。
 月沢(つきさわ)くんは私をベッドに押し倒す。
 右手からスマホが床に滑り落ちた。

 しゅるっ。

 あ、セーラー服のピンク色のリボンがほどかれて……。

 月沢(つきさわ)くんが色気のある甘い目で見つめてくる。
「…ほどいて」

 しゅるっ。
 私はネクタイを引っ張り、ほどく。

 セーラー服の中に右手が入ってきた。

 まるで心を掴み癒すように、
 白いブラのリボンをぎゅっと掴まれる。

 私が少し口を開けると、

 ギシッ……。

 月沢(つきさわ)くんが私の横に右手を突く。

 近づいてくる甘い唇。
 静かに両目を閉じると月沢(つきさわ)くんの唇が重なった。

 窓から見える真っ暗な夜空。
 真っ白な月が陰る。

 (あふ)れる涙。

 もう声にすらならない。
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