総長、私のリボンほどいて。🎀

「うん…それから…」
「腕を引っ張られて窓ガラスに押し付けられて」

 氷雅(ひょうが)お兄ちゃんは両目を見開く。

「リボンで両手を背中で縛ばれて……」

 私はぎゅっとセーラー服の胸の部分を掴む。

「クソがぁっ!」
「やっぱ電話の後、すぐお前の高校に行くべきだった」
「いや、お前が俺と同じ高校行くって言った時、来いって言ってればこんなことにはならなかった」
「同じ高校だったらすぐ飛んで行けて守れたのに」

 氷雅(ひょうが)お兄ちゃんはとても辛そうな顔をする。
「ありす、すまねぇ」

「謝らないで…氷雅(ひょうが)お兄ちゃんは何も悪くないよ」

 そう、悪いのは、

 私の両目から光が消える。

 氷雅(ひょうが)お兄ちゃんとの約束を完全に破ってしまったのに、
 こうやって抱き締められてる私だから。

氷雅(ひょうが)お兄ちゃん、私、部屋に…」
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