総長、私のリボンほどいて。🎀

「2日前は俺の下っ端の速水(はやみ)桃原(ももはら)、可愛がってくれたみたいで」
「おかげでサツに連れて行かれて終わったよ」

天川(あまかわ)くんは敵の暴走族なんだよね…?」
 私は恐る恐る問う。

月沢(つきさわ)に聞いたんだ?」
「そうだよ。こいつらは俺の下っ端で」

 天川(あまかわ)くんは前髪を()き上げる。
「俺は暴走族黒雪(くろゆき)のナンバー2天川鏡(あまかわきょう)だ」

 暴走族黒雪(くろゆき)のナンバー2!?
 そっか、だからみんな黒の特攻服の背中に黒雪って書かれてるんだ…。

「だからありすちゃんには悪いけど消えてもらうよ」
 天川(あまかわ)くんはポンッと私の体を前から押す。

 私はその場に倒れる。

 起き上がると、天川(あまかわ)くんは私の前にしゃがむ。

「あいつの女じゃなかったら俺のにして抱いてやったのに。ごめんね」
 天川(あまかわ)くんは、にこっと笑う。

 私の血の気が引いていく。

「あ……」
「た、たす…」
「たすけて、月沢(つきさわ)くん!!」
 私は涙を(こぼ)しながら叫ぶ。
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