総長、私のリボンほどいて。🎀
「あーうぜえ! あいつの名前呼ぶんじゃねぇよ!!」
天川くんは、バッ! と私のウィッグを取る。
天川くんは両目を見開く。
「は……? 金髪!?」
天川くんが驚きの声を上げると周りの下っ端達もざわめく。
私は両手で髪を隠し、ぎゅっと両目を閉じる。
やだ。
やだやだやだ。
月沢くんだけじゃなくて、天川くん達にも知られちゃった……。
ブォオン
ブォオン
ブォオオオンッ!
バイクが2台走ってきた。
「総長!」
天川くんが叫ぶ。
え、総長!?
「鏡、何勝手に動いてやがる!」
総長の怒鳴り声が響く。
あれ?
この声どこかで……。
私は総長を見る。
さらっとした金髪に整った顔。
片耳にはピアスをつけ、
黒雪と背中に書かれた黒の特攻服を着て、
ペンダントヘッドに雪のマークが付き、黒雪と書かれたネックレスをつけている。