総長、私のリボンほどいて。🎀

 どうして……?
 こんなの、知りたくなかった。

 涙が(あふ)れて止まらない。

 ねぇ、氷雅(ひょうが)お兄ちゃん、
 嘘だって言ってよ。

 ブォオン
 ブォオン
 ブォオオオンッ!

 バイクが3台走ってきた。
 氷雅(ひょうが)お兄ちゃんが前に目線を向ける。

「やっとおでましか」
月沢(つきさわ)

 え?

 私は恐る恐る後ろを見る。

 綺麗な白髪。
 両耳にはピアスをつけ、
 有栖と背中に書かれた白の特攻服を着て、
 月のマークに有栖の文字がついた指輪を左手の中指に嵌めている。

月沢(つきさわ)くん……」

 え……。

 月沢(つきさわ)くんの後ろにいる夜野(やの)くんと三月(みつき)くんも同じ特攻服着て、
 夜野(やの)くんの後ろに特攻服姿の夕日(ゆうひ)ちゃんが乗って…。

 夜野(やの)くんは納得した顔を浮かべる。
「なるほどね、そういうことだったのか」

「みんなも暴走族だったの…?」
< 221 / 480 >

この作品をシェア

pagetop