総長、私のリボンほどいて。🎀
プシュー。
その手を掴むことはなく、扉が閉まった。
月沢くん、まだ私のこと呼んで…。
電車が動き出す。
私は扉に両手を突く。
月沢くん!
月沢くんの姿が見えなくなった。
突いた両手が震える。
私は俯いて泣く。
未だに信じられないよ。
月沢くんは暴走族有栖の2代目総長で、
氷雅お兄ちゃんは暴走族黒雪2代目総長で、
私は月沢くんの敵だなんて。
それに……。
「…思い出しちゃった…ぜんぶ」
保健室で見ていた夢は現実で、
氷雅お兄ちゃんが暴走族黒雪に入ったのは自分のせいだって。