総長、私のリボンほどいて。🎀

「俺は暴走族黒雪(くろゆき)初代総長、黒坂翼輝(くろさかつばき)だ」
「お前、名は?」

「俺は星野氷雅(ほしのひょうが)だ」

「そこの倒れた子は?」

「妹のありすだ。お前もこいつらと同じなら殺す」
 氷雅(ひょうが)お兄ちゃんが冷酷な目でそう言うと、黒坂(くろさか)は不敵な笑みを零す。

「気に入った」
「お前、俺の物になれ」
氷雅(ひょうが)

「何言ってやがる、俺は…」

「冷酷な目」
「お前には素質がある」
「いずれお前は総長になるだろう」
「総長になれば妹をもっと余裕で守れるくらい強くなれる」
「どうだ?」

 氷雅(ひょうが)お兄ちゃんが総長?
 よく分からないけどだめ。
 だめだよ、氷雅(ひょうが)お兄ちゃん。
 総長になんか、なっちゃだめだよ。
 そう言いたいのに声が出ない。

 氷雅(ひょうが)お兄ちゃんは、フッと笑う。
「悪くねぇな」
「ありすを守れるなら、暴走族黒雪(くろゆき)に入ってやるよ」
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