総長、私のリボンほどいて。🎀


 プシュー。

 …あ、日蜜(ひみつ)駅で降りないと行けなかったのに、扉閉まっちゃった。

 再び電車が動き出し、私は俯く。

 もういいや。
 帰っても氷雅(ひょうが)お兄ちゃんと気まずいだけだし……。
 このまま、いなくなろう。

「電車の外見てみて」
 他校のポニテの女子高校生が話しかけると、

 隣に座るショートの女子高校生が驚く。
「え、バイク!?」
「しかも特攻服着てる!」
「何々? なんかの撮影!?」

「電車と追いかけっこしてる!」
「白髪の男の子、かっこいい!」
 ポニテの女子高校生が目を輝かせながら言う。

 え、白髪の男の子?

 私は俯いた顔を上げて窓から外を見る。

 え、月沢(つきさわ)くん、なんで…。

 やばい、また涙が(こぼ)れて…。

 嬉しいなんて、思っちゃだめだよ。
 だめなのに――――。

 とにかく、このまま終点まで行こう。
 そしたら諦めてくれるよね?
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