総長、私のリボンほどいて。🎀

氷雅(ひょうが)お兄ちゃんっ…」

 あぁ、やばい。
 朝から泣きそう。

 涙をぐっと堪えると、氷雅(ひょうが)お兄ちゃんは私を離し、
 起き上がってベットから降りる。

「充電したからもう大丈夫だ」
「朝飯作ってくる」
 氷雅(ひょうが)お兄ちゃんはそう言うと部屋から出て行った。
 ぱたん、と扉が閉まる。

 氷雅(ひょうが)お兄ちゃん、元気? になって良かった…。

 私はハッとする。

 …あ、そうだ、鞄!

 私は起き上がってベットから降り、学習机の横のフックにかかった鞄を取り、床に置く。
 そしてしゃがんだまま鞄のチャックを開けて中を見る。

 アイスキャンディーの空袋、あった…。 
 机の中だと氷雅(ひょうが)お兄ちゃんに見つかると思って、
 鞄の中に入れてあるファイルの隙間に挟んでおいて良かった。

 私はそう安堵(あんど)しながらファイルを鞄から取り出してぎゅっと抱き締める。

 今後もバレませんように。
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