総長、私のリボンほどいて。🎀


 中2の夏休み前。

「あの、お母さん、進路のことなんだけど…」
 セーラー服姿の私は居間のソファーでくつろぐお母さんに声をかけた。

 お母さんは金髪の私と違って綺麗な黒のロングで、ほんわかなピンク色のマニュキアを爪に塗っている最中みたい。

「ありすは氷雅(ひょうが)と同じ 書庫蘭(しょこら)高校受験するんでしょ~?」

「え…」

「わーかってるって」

「あ、うん…」
 私はそう短く返事をすると自分の部屋に行く。
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