総長、私のリボンほどいて。🎀

 私は引き続き勉強して、一時間後。深夜になった。

 月沢(つきさわ)くん、ベランダにいるかな?

 勉強を止め、スマホを持って椅子から立ち上がると、

 シャッ!
 カーテンを開けリボンで留めて、ガチャ、と鍵を外し、

 ――――ガラッ。
 私は扉を開けて飛び出す。

 隣のベランダは真っ暗で人がいる気配はなく、仕切り板の穴を覗いて見ても月沢(つきさわ)くんの姿はなかった。

 まだ体調悪いのかな……。
 よし、電話してみよう。

 スマホの着信音が鳴った。

 え、非通知!?
 間違え電話か何かかな?

 私は恐る恐る出てみる。

「も、もしもし?」

『ありすちゃん?』

 この声は……。

天川(あまかわ)…くん…?」

『そうだよ』

「なんで番号知って……」

『あー、前に総長のスマホ、ロック解除されてたことがあってこっそり?』

 天川(あまかわ)くん、怖い……。

「それで私に何の用ですか?」

『始まったから伝えておこうと思ってね』

「始まった? 何がですか?」
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