総長、私のリボンほどいて。🎀

「…ううん、買ってないよ」

「…えー、なんで? あんなに欲しそうだったのに」

「…ここまで来てくれて、一緒に周れるだけでもう十分だよ」

「ありす、尊い!」
 夕日(ゆうひ)ちゃんが私に抱きつく。

「おい夕日(ゆうひ)、どうした!?」
 三月(みつき)くんはそう言って、ははっ、と笑う。

 月沢(つきさわ)くんは私が被った黒のミュッキーバックリボンキャップをじっと見る。

月沢(つきさわ)くん?」

「あー、キャップのリボンほどきてぇ」
 夜野(やの)くんが代わりに答え、私の顔がボッと熱くなる。

「…違ぇから」
「…似合ってる」

 う、嬉しい……。

「なぁ、最後にみんなでアレ乗ろうぜ」
 三月(みつき)くんはジェットコースターを指差す。

「アレ、回転する奴じゃん? めっちゃ楽しそう!」
 夕日(ゆうひ)ちゃんは目を輝かせながら言う。

 か、回転!?
 怖そう……。

「俺はいいけど、怜王(れお)は乗れないね」
 夜野(やの)がそう言うと、三月(みつき)くんは「あ…」と固まる。
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