総長、私のリボンほどいて。🎀


「ただいま」
 7月3日の夜。いつも通り部屋にいるとバイトから帰ってきた氷雅(ひょうが)お兄ちゃんが声をかけてきた。

 私はドキッとする。

 氷雅(ひょうが)お兄ちゃん、高校の制服(半袖シャツ)着てるってことは高校からバイト先まで直行したのかな?

 平常心、平常心…。

「おかえりなさい」

「着替えたらすぐ晩飯作る」

「あ、うん」

 氷雅(ひょうが)お兄ちゃんは自分の部屋に向かう。

「はぁ…」
 私は両手で顔を隠す。

 氷雅(ひょうが)お兄ちゃんと話すだけで緊張する。
 こんなんでほんとうに家抜け出せるのかな…。
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