総長、私のリボンほどいて。🎀
「…星野、変な声出すな。やりずらい」
「ごめんなさい」
でも冷風、気持ちいい。
「思い出すなぁ。望先輩のこと」
「仕方ないねって」
「望先輩も夕日に頼まれて、こうやってドライヤーかけてたっけ」
三月くんが懐かしがりながら言う。
「望先輩?」
私は聞き返す。
「羽鳥望先輩」
「2つ上の先輩で仲良かったんだけど高校辞めちゃってさ」
「翔」
夜野くんが止めると、
「…ベラベラ話てんじゃねぇよ」
月沢くんが怒りを交えた声で言う。
「しゃあーせん」
三月くんは頭を下げて謝った。
月沢くんが怒るなんて…。
よっぽど大事な先輩だったんだろうな。
「…出来た」
月沢くんはドライヤーの電源をオフにする。
「月沢くん、ありがとう」
「これで帰れます」
私は床から立ち上がる。