総長、私のリボンほどいて。🎀
「…!」
氷雅お兄ちゃんは私を右腕で抱き止めた。
「危ねぇ」
「ありす」
「花果緒駅着くまで、こうしててやるから寝てろ」
「うん、ありがとう……」
私、ほんとにひどい妹だ。
抱き締められたくなかったって思ったくせに、
氷雅お兄ちゃんのこと裏切ったくせに、
高校で月沢くんと会うのに、
腕の中で眠るなんて。
だけど、氷雅お兄ちゃんの熱も体温さえも心地よくて安心してしまう。
今はただ、こうして眠っていたい。