Mazzo d'amore
スクリュードライバー(貴方に心奪われた)
高校3年生になっての初めての登校日。

「おはよう!花屋さんの人とは上手く行った?」

「おはよう……結婚してた」

「あははは!そんなこったろうと思ったよ」

朝の通学中、学校付近でみゆに話しかけられた。

上島みゆ(うえしまみゆ)

高校から一緒になり私と仲良くしてくれる同じ学校の友達。

そんなみゆの父親は有名ミュージシャンで母は元アナウンサーと、共に一流。

親ガチャと言う言葉があるが一言でこの上ないぐらいの大当たりだ。

「他の家が良く見えるだけで私の家だってそんなよくないって」

「いや、ウチの鬼畜な母と比べたら素晴らしい親だと思いますよ」

「そう?でも私、心春のママ好きだけどな。ちゃんと心春の事考えて色々やってくれてるじゃん」

「え?そう?」

「だって今まで色々やらされてるけどやり遂げれなかった事なんてないんでしょ?」

「え、まあそうだけど…」

「もちろん前提として心春の努力やセンスもあるから出来る事なんだけどママもちゃんと娘が出来るようにフォローしてくれてるからじゃん?」

「んー?そうなのかなぁ…」

そう言われても自分の事や自分の周りの事を客観視出来ないからわからなかった。

「今度、私もお店にお客さんとして行かせてもらうね」

「いやいや、ダメダメ女子高生がBARに行っただなんて学校にバレたら停学になるよ」

「大丈夫よ」

「なんで!?」

「だって居酒屋だって保護者と一緒に入ったら大丈夫でしょ、それと一緒。あ、でもBARに行くとしても保護者が居るな……じゃあ、親と一緒に行くわ」

「え!?それは嬉しいけどめちゃくちゃ緊張するから困るな…」

私の反応にみゆは可愛く笑った。

そしてみゆは顔はちっちゃく目は大きくめっちゃ可愛い。

なんなら私の右手で顔がおさまるんじゃないかってぐらいの小顔だ。

そして実際モテてるし彼氏も居る。

後、お金で困ってる所をそんな見た事がない。

「いやいや!私お小遣いなんてそんな言うほど貰ってないよ!」

「うっそだー!」

「ほんとほんと!パパが節約家だから」
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