Mazzo d'amore
「はい」

「ありがとう」

菜音くんからのプレゼントは厚みで四角い物をくれた。

「なに?ゲーム?」

「そんな訳ないじゃん」

私は包装用紙を丁寧に剥がした。

「本!うそ、意外!」

「漫画じゃない本とは珍しい!」

周りから声が出た。

「俺だってそう言うのたまには読むんだよ」

「これ、欲しかった本!ありがとうー」

少し照れた菜音くんに私はお礼を言った。

そして菜音くんも同様に同級生達からプレゼントをもらっていった。

「はい、これ私から」

「ありがとう」

そう言って私は持ってきた大きな袋を渡した。

「え?こんな大きなの高いんじゃないの?」

みんなせいぜい1000円程度のやり取りなので声が大きくなった。

「あ、私からって言ったけどウチの家からだから。去年ケーキ買ってもらったけど結局返せてなかったりもしてその分も含めてだから」

「ありがとう、開けるね」

そう言って菜音くんは紙袋を開けた。

「グローブにミットだ!」

「すげぇ!カッコいい!」

「うわ!嬉しい!ありがとう!」

子供用グローブとミットを贈った。

空手を習っていた菜音くんは嬉しそうに喜んだ。

「ちょっとミット誰か持って!打ってみたい」

「良いよ俺持つよ!」

「次やったら俺もやりたい!」

そして嬉しそうにグローブを付けて男の子達はミット打ちをしていた。

また、ぷにぷにお肉のまん丸い菜音くんがミット打ちする姿は不覚にも可愛かった。

打つとその度にお腹もぽよんってして笑いそうになった。

しかし、再会した今、目の前に居る菜音くんはまるで別人のようだった。

「しっっっっかし、ほんと変わったねー。あんなぷにぷにまん丸お肉の菜音くんがこんなにもスラッとしてイケメンになるなんて」

「そう言う心春ちゃんだって俺と対して変わらないまん丸だったのに細くなって……その……かわ…可愛くなってるじゃん」

「はぁ!?私は昔太ってたけど菜音くん程ではありません!」

「いやいや、大して変わらなかったです!」

「はぁ!?」

「うそうそ、ごめんごめん」

「ならよろしい」

体格は立派だがしをらしい菜音くんに少し可笑しく笑った。
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