Mazzo d'amore
そして、逆に父の明るさは底抜けの明るさとなり家族を光照らすようになっていった。

「誰が人間照明やっちゅうねん」

誰も何も言ってないのにそれを口癖におでこをペチペチしてた。

「やばいママなんで起こしてくれないの!遅刻しちゃうじゃん」

「もう起こさないって言ったでしょ急いで準備しなさい」

準備が完了して急いで出ようとする私の口に父は焼いたトーストを口に押し込んできた。

「え!?なに?」

「頼む!父の願いを叶えてくれ」

「えーーー。本気で嫌なんだけどっ!」

それでも父は両手で必死にお願いしてきた。

「いっけなーい!遅刻遅刻!」

そう言って家を出る私に父は笑い転げていた。

ドンっ

ほんとに漫画みたいに曲がり角で人にぶつかった。

「相葉何してんの?」

「父の願いを叶えたの…つか、菜音くんもパンって」

私は美味しそうに惣菜パンを食べながら歩いてる菜音くんに笑ってしまった。

「良いなあ、美味しそうで」

菜音くんのお家は夫婦でパン屋を営んでいる。

食べログでも星4と高評価つけられるぐらい人気店だった。

私は誕生日の時にも出されたクリームパンが特に好きだった。

そのまま菜音くんと一緒に通学した。

「なあなあ!今日放課後みんなで遊びに行こうよ!」

「どこに?」

そう言う私にオバケの手のポーズしてきた。

「え?怖いやつ?」

「武蔵山って所!なんか遺跡とかあって怖いらしいんだぜ!」

「えーじゃあ、夏休みの時間ある時にしようよ」

「わかった!約束な!」

そして私達はその日オバケよりも怖いものを目にする事となる。
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