Mazzo d'amore
カリフォルニアレモネード(永遠の感謝)
カランコロン

本日もMazzo d'amore(マッツォダモーレ)の扉が開いた。

お客様の来店だ。

お客様はご年配の優しそうな老夫婦。

「いらっしゃいませ、お好きなお席にどうぞ」

ご年配の夫婦はカウンターに腰をかけた。

「何を飲まれますか?」

私の問いかけにご主人は何にしようかなとしばらく悩んでいた。

奥様もあまりこういうお店に慣れてないのか自分の飲み物もご主人に身を委ねているようだった。

「梅酒ってありますか?」

「はい、ございますよ」

「じゃあ、それを二つ」

「かしこまりました」

私は冷やしておいた小さめのグラスに大きめの氷を入れ梅酒を注いでお客様に出した。

「仕事が早いね」

「ありがとうございます」

「うん!美味しい!……ねぇどうして大きな氷を使用するの?」

奥様が聞いてきた。

「小さな氷だと溶けやすくて梅酒の味がぼやけてしまうので溶けにくいよう大きな氷を使用させていただいてます」

「なるほど、よく考えてらっしゃるのね」

満足のいく答えだったようで奥様はニコニコしながらグラスの中の氷を眺めていた。
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