Mazzo d'amore
「めっちゃ、カッコよかったんだって!!!すっごい魅力的だったの!!!」

「へぇ…そりゃ良かったね」

翌日、私は高校の同級生のみゆに報告した。

「ケーキ屋、本屋、この前はお弁当屋さんで次はお花屋さんですか」

「私、将来お花屋さんになる!よく考えたら小学校の時もお花係りだったし」

イケメン店員に出会ってはコロコロと夢が変わる私にみゆの呆れ顔は余計に増した。

「よし!こうなったら花屋さんに通うわ」

「やめときなって。相手にされないから」

「ううん!そんな事ない!」

相手は歳上だがいつかその内、私も歳を重ねていけば付き合ってもらえるに違いない。

私はそう信じていた。

「相手髭生えてた?」

「うん!鼻下に立派な髭生えてた」

「推定何歳?」

「多分、40歳ぐらいかと」

「それをキレイな顔立ちって表現するなんて……まあ、一旦その話は置いといて、今まで告白何連敗よ?」

「え……えっと……」

とりあえず、前回の弁当屋、本屋、ケーキ屋はわかるから3連敗は確実だ。

「もっと思い返してごらん?1番初めは?」

私の初めての恋は幼稚園の時。

相手は同じ幼稚園に通う、近藤龍之介くん。

とても優しくてステキな人。

あと、お歌やピアノも得意でよく『森のくまさん』を一緒に歌ってくれたりした。

そんな龍之介くんが好きで私はいつも側でくっついていた。
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