Mazzo d'amore
ギムレット(遠い人を想う)
私、相葉京香(あいばきょうか)8才。

父と母はまともに家に居ない。

母は夜から朝にかけての仕事をしている。

母は知らない男性とよく居る。

夜から朝にかけての仕事をしていると言ったが朝、家に帰ってきたと思ったらお金を置いてはまた出ていくので何処で何をしてるのかは知らない。

父はパチンコを打ちに出かけてたまに家に帰っては金を無心しまた出てく。

勝ったらたまにお金を置いて行くが置いて行くよりお金を持って出てく回数の方が圧倒的に多かった。

7才離れた兄の健太(けんた)が私の面倒を見てくれてる。

今でさえネグレクトと言う言葉があるが当時は知らなかった。

「ほら、お菓子買って来たから食べな」

「ありがとうお兄ちゃん」

「おっす!京香元気か?」

両親共に居ない事が多かったので我が家がよく兄の友人達の溜まり場となっていた。

「学校とかでイジメられたりしてないか?」

翼くんはよく私の心配をしてくれた。

「勉強でわからない所あったら教えあげるからな。お兄ちゃんは教えれないだろうから」

「剛てめぇ……まあ事実だな。勉強頼んだ」

剛くんはよく勉強を教えてくれた。

他のお兄ちゃんのお友達もみんな優しくて幼いながらに感謝していた。

ガチャッ

バタン

「お!悪ガキ共、また来てたのか!」

ガハハ笑いながらお父さんが帰って来た。

「「お邪魔してまーす」」

「おう!好きなだけゆっくりしていけ!健太!ほら」

そう言って父は兄に数万円渡していた。

パチンコで勝ったのだろう上機嫌だった。

「いらないのか?ほら?」

父を嫌ってる兄は無言で受け取ろうとしなかったが翼くんが代わりに受け取った。

「ありがとうございます、これでみんなで美味しい物食べます」

「おう!じゃあな」

バタン

そう言った父は再び出て行った。

「5分も家に居ないのかよ…」

「ほら」

「………ありがとう」

翼くんは兄に先程受け取ったお金を渡した。
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