Mazzo d'amore
中学に進み、高校の進学をどうするか考えるようになった。

そんな私におじとおばは

「学生の時は子供で良いんだよ」

「将来、私達に返すのではなく将来困ってる人が居たら同じような事を人にしてあげて」

高校も行かせてくれるとの事なので私は甘える事にした。

毎朝、学校に行く前に見る朝のテレビ番組で占いを見てから行くのが日課になっていた。

高校も地元の全日制の高校に進学させてもらった。

「田中明菜アナウンサー可愛い」

その歳の新人アナウンサーで入ってきた田中アナウンサーに私はこの人みたいに綺麗になりたいなと強い憧れを持つようになった。

そして高校3年生の18歳、ある事件が私の目に飛び込んだ。

それはくしくも私の好きな田中明菜アナウンサーからの口で告げられた。

『昨日未明、広島県で強盗致傷事件が起こり、容疑者が逮捕されました。逮捕されたのは職業不詳の相葉……』

ただただ愕然とした。

父の名前が私の好きなアナウンサーによって呼ばれるだなんて。

「うそ……お父さん……」

「なーにやっとんだ!あのバカタレがぁ!」

父は事件を起こし逮捕されたようだった。

「うわあぁぁぁぁぁぁああ!!」

私は大声で泣いた。

泣いた。

泣いた。

悲しくて泣いたのではない。

無性に悔しくて泣いたのだ。

あの人はどこまで私の、私達の邪魔をするのだろう。

人に迷惑かけるぐらいならさっさと自分で自分の喉を掻っ切り死んでしまえ!

自分で自分を生きる為のお金を稼げず、コツコツ努力や我慢もせず楽してお金を得たりお金持ちになる事だけを考え、それまで真面目にコツコツと生きてる人の命や金品を奪おうだなんて人の道を外れた畜生にもほどがある。
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