Mazzo d'amore
「え?本名なの?普通こう言うのって源氏名じゃないの?」

「別に悪い事してないし、なんか源氏名って偽る自分を作るみたいでそれが嫌で」

「へぇ!凄いサバサバしてるんだね」

沢山お酒飲んで笑い合った。

会計を済ませ外へ見送った。

「ねぇ、また来てくれる?」

「んー、またサービスしてくれるなら」

そう言う光太郎さんに私はキスをした。

「え?こう言うサービスあるの?」

「あるわけないじゃん!特別よ」

こうして、私は光太郎さんと交際を始めた。

交際してくうちにわかったのだが光太郎さんが幼い頃父が病気で亡くなったとの事。

その後、母の実家に戻り学校を卒業後、建築会社、不動産会社、など親戚が経営してる中で建築会社で勤めてるとの事。

「えー!なんか可哀想」

「そんな事ないよ、父の愛は沢山受けたし母も凄い愛を注いでくれるし。あ、それに3-Arrows(スリーアローズ)ってロックバンド知ってる?そのベースをやってる人」

「知ってる知ってる上島剛(うえしまつよし)よね!」

「俺の父さんの中学の時の教え子でさ、サイン入りのベース貰ったんだ」

「ウチの兄の友達で小学生の頃お家に長い間泊めてもらったり、いっぱいお世話になってたの」

「「マジで!?」」

お互いビックリした。

こんなにも世間は狭いんだなと笑い合った。

そしてそんな中で私は自分の生い立ちを光太郎さんに言うべきかずっと悩んでいた。

言ったら捨てられるかなと思って言えてなかった。

けれど言わなければ進めれないと思い光太郎さんを呼び出し報告した。

「どうしたの改まって?」

私は凄い緊張した面持ちで父や母の事について話しした。

「大変だったね」

たった一言だった。

「あのその嫌だったら別れても仕方ない事だから」

「え?なんで?関係なくない?」

私は光太郎さんの優しさに涙を流した。

「なんで泣くの!こんなので別れたりしないから」

「ありがとう、ありがとう」

そして付き合ってしばらくして私の家で半同棲生活が始まった。
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