Mazzo d'amore
「はい、大丈夫です」

私はぎゅっと手を握り返し起き上がらせてくれた翼くんにときめいた。

(この人が私の運命の人だ)

その後も中々同じクラスになれないがようやく5年生になり同じクラスになれて私は喜んだ。

「そんな西川翼君は何歳だったの?」

「えっと……私が5年生時に当時44歳かと…」

「担任の先生だよね。無理だよね?」

「そうですね、結論から言うと無理でした」

「なんで無理だったかわかる?」

「2人共、結婚してました」

私の答えにみゆは無表情になり次の瞬間怒号に近い声を上げた。

「それもあるけど2人との年齢差ッ!!!」

「………」

「龍之介くん、翼くんって言ってるけど、『君』じゃなくて『さん』ね!さらに言うと『さん』でもなく『先生』ね!先生との恋もダメね!」

「いや、でも恋に年齢差や職業は…」

「関係あるの!!!」

みゆは鼻息荒く興奮していた。

すると深いため息を吐いた。

「なんで歳の近い人と恋愛しないの?」

「いやぁ、なんか子供に見えて」

「私達も子供なんだから背伸びをせずに同世代と恋をしようよ。車の助手席じゃなくて自転車の後ろに乗るようにしようよ」

「自転車の二人乗りは捕まるよ?」

「例えよ!た、と、え!」

みゆは同じ学年に彼氏が居るのでそうやっていつも私をマウント取ってくる。

「おい、マウントって言い方。女子高生が父親ぐらいの年齢が恋愛対象とか言うと世間がざわつくから口に出して言うのやめな」

以前、学校友人Aのお父さん(39才)に会った時

「えー!全然若く見えますね!というか39才ってまだ、若いですよ」

そう言ってから家で友人Aのお父さんは私が帰った後、家で嬉しそうにはしゃいでたらしい。

「心春ちゃんに39才はまだ若いって言われた!やっぴー!」

父が調子に乗って年齢と精神年齢に歪みが起きて困ってるとクレームをいただいた。
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