Mazzo d'amore
ニコラシカ(決心•覚悟を決めて)
「まず初めに二人で心春ちゃんのおばあちゃん家にお手紙を持って行った時の事覚えてる?」

「あぁ…覚えてるよ」

一瞬にこやかに答えるも当時父に影響されて

『何が出るかな!何が出るかな!クリームソーダ、略してクソ』

が、脳裏をよぎり思わず頭を抱えてしまった。

「心春ちゃんのおばあちゃんに渡す手紙に『ありがとう』って書いたって言ったけど本当は『こはるちゃんすき』って書いたんだ」

そう言う菜音くんの言葉に私は不意にドキッとした。

「小学4年生の時ケーキ買いに行って男友達二人にからかわれた時、『好きじゃない』って言ったけど本当は『好き』だったんだ」

続けてそう語る菜音くんに私は嬉しくて目に涙が溜まってきた。

「小学5年生の誕生日プレゼントも本なんて全然読まないのにたまには読むって嘘ついて、心春ちゃんが欲しがってるのを心春ちゃんの両親に聞いてあげたんだ」

そして私はついに嬉しくて涙を流した。

ずっと前から私の事をあんなおデブな私の事を好きで居てくれた人が居る事に感動した。

「自分の誕生日は3月31日でなんでこんなに遅いんだって凄い凄い嫌で。学年で1番年下なのが凄い嫌で。でも4月2日の心春ちゃんが居るからいつしか自分の誕生日もそんな嫌にならなくなって、そして何より4月1日が二人唯一の同じ歳で居られる特別な日に感じるから4月1日が凄い好きになって…あれ、俺何言ってんだろ…なんかわかんなくなってきちゃった…」

「ふぇぇん…うぇぇん」

私は堪えきれなく声を出して泣いてしまった。

「………ふぅ……ああ、緊張する。けどもうここまで来たらとっくに俺の気持ちは気づいてると思うから決心して言います」

そんな菜音くんは私に勇気を出して告白してきた。

「ずっとずっと好きでした僕と付き合ってください!」

私は元気よく返事した。

「ごめんなさいっ」

「な、なんで!?今の流れはOKのはずじゃん!」

「歳下はダメなの」

「歳下って同じ歳じゃん!」

「一日だけね」

その言葉にガックリ肩を落とし項垂れる菜音くん。
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