Mazzo d'amore
みゆは明菜さんの隣に腰をかけ、

「せっかくだからシャンパン飲みたい、開けようよ」

そう言って翼先生の持って来てくれたシャンパンを開けみんなで飲んだ。

「良いの?初日なのにこんなグダグダで」

「良いの良いの本格的なオープンは明日で今日はプレオープンなんだから。それに母さんもきっとこうやってみんな集まってくれて喜んでると思うんだ」

「そっか……あれ?お兄ちゃんは?」

「まだ来てないよ、もう少ししたら来るんじゃない?」

「そっか」

稜くんはその後も格闘技を続け連戦連勝と確固たる地位を築いて人気格闘家となっていた。

また容姿もカッコよくモデルやタレント業などもこなし、オリジナルブランドの服を販売したりと兄妹揃い若者の間でインフルエンサーとなり人気を博していた。

「良かったの?兄とじゃなくて?歳上が良かったんじゃないの?」

みゆに意地悪そうに聞かれた。

「やっぱそうだよね!もったいなかったよね。10人が10人、稜くんを選ぶよね」

「おいおい、そんな事言ったら旦那さん泣くよ?」

みゆと2人笑い合った。

カランコロン

「お!来た来た!」

「菜音いらっしゃい」

「こんばんは!わ、凄い人が集まってる!」

「今夜が最後だからね」

「え?最後って?」

「まあ、良いからこっちに来なさい」

そう言って1番端の席に座らせた。

「何飲む?」

「えっと……何にしようかな…」

「俺さ、菜音が旦那でほんっっっっと良かったと思ってるんだよ」

飲み物を何にしようか悩んでる旦那に子泣き爺いが絡んで来た。

「わかるっ!!コイツは良い男だっ!!」

散々泣き散らかしたおっさん達は菜音に歩み寄り菜音の肩をバシバシ叩いては絡みまくってくる。
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