風吹く土曜
「いつまでこんな毎日が続くのかな」

ため息と共に、拾った小石を無造作に投げる。
退屈な時間、コンビニの前の縁石に座って、パッと見には拾える小石も無くなった。

中学1年の夏休み前、シンは坊主頭を金髪に染めて、近所のコンビニで暇を潰していた。

「おいショウタ、タバコない?」

シンは、隣にいるショウタに声をかけた。
四角い黒縁メガネに、軽い茶髪の短髪のショウタ。

シンとショウタは、中学に上がって、なんとなく意気投合してから、学校をサボるときも一緒にいた。
5つの小学校から集まるシンの中学では、一気に同級生が増える。

それなりに仲間のいたシンとショウタだが、部活やなんやらでそれぞれのコミュニティーが出来ると、なぜか二人は馴染めずあまり物同士、いつかつるむようになっていた。

「後ろに売ってんだろ。買ってこいよ」

ショウタは、めんどくさそうにコンビニを指差した。

「そんな金があったら買ってるよ」

首をゆっくり回して、またため息をつくと、両膝を叩いてシンは立ち上がった。
ズボンに手を突っ込むと、200数十円が出てきた。

「タバコが買えねえから、アイス買ってくるわ」

なけなしの小銭を握り、吸い終わったタバコの箱を潰しながら、シンはコンビニの前のゴミ箱に向かった。
気だるそうに歩いていると、部活終わりなのか他校の生徒が何人かコンビニの前で話していた。
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