恋も推しごと〜私の推しがふってきました〜
きっとある程度人がいなくなってからだとは思うけれど、いつどこから出てくるかまでは約束していないので、私はとりあえずこの広場で待つしかなかった。
もちろん、待つのは全然苦ではない。余韻に浸れてラッキーと思っているくらいだ。
もちろんグッズは沢山買い込み、ライブ前にトレードしたりして全てコンプリート済みだ。
ニヤニヤが止まらず、とても緩んだ顔で私は待っていた。だけど、現実に引き戻すかのようにスマホの通知音が鳴る。
「ん? ……っ! れいっ……」
表示された名前を見て思わず叫びそうになり、慌てて自分で口を押さえた。
連絡に困るからと数日前に交換しあった連絡先は、なんだかんだ今まで使うことなく今初めて届いたのだ。
私はとりあえず返事をしなければと思い、アプリを開く。
『今どこにいる?』
たったそれだけの文字だけれど、初めての怜也くんからの連絡に嬉しくなり、私はとりあえず画面をスクショしてしっかり保存してから返事を返した。