恋も推しごと〜私の推しがふってきました〜


イケメンでかっこいいのに、さらに可愛さも兼ね備えているなんて、一体どこを目指しているのだろう。



「俺、途中でちょっとミスしちゃったんだよね……」



 確かに、ギターの弾き語りのときに少し音がズレている時もあったけれど、そんなこと全く気にならないほど楽しんだ。

 だから、怜也くんがそんなに心配する必要はない。



「ものすごく良かったに決まってるでしょ! ミスなんか気にすることじゃないよ……。ファンのひとりとして言うけど、生の声を聴けてあんなにキラキラした笑顔を向けられて、一緒の空間で息をしていたのに幸せじゃないはずがない!」



 ライブが終わったあとは、みんなとても幸せな顔をして帰っているのだからライブは大成功だ。



「さらに私なんか、あんな特等席で……しかもたくさん目が合って、ファンサも貰えて……っ! とにかく最高! としか言いようがない」



 目が合ったとか、ファンサが貰えたとかは私の思い込みかもしれないけれど、それでいい。

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