俺様ドクターの溺愛包囲網
「あの、お礼させてください。いろいろお世話になったので、ごはん作らせていただきます」
「いいなそれ」
「何がお好きですか? たまには先生のリクエスト……」
そこまで言ってハッとする。よくよく考えたら私、先生に告白してたんだった。色々ありすぎてすっかり忘れていた。ふと思い出して急にパニックになる。
「そういえばこの前の夜」
え? もしかして心の中読みました? それとも私、テンパりすぎて、なにか変なこと口走りました?
「返事、できてなかったな」
「は、はい……」
それはつまり、今から談判を下すということですね。どうしよう。ドキドキしずぎて、心臓が口から出そう。それに今振られたら立ち直れない。
「あの、別に返事は今じゃな……んんっ!?」
強引に後頭部を掴まれたかと思ったら、気が付けば柔らかな感触にぶつかっていた。
何が起こってる?
先生の長いまつげが私の頬に当たっている気がする。嘘、私、キス、されてる!
「やっとできた」
すぐに離れたかと思うと、目の前には意地悪な笑みを浮かべる先生。私は一人放心状態。
「三度目の正直だな」
「な、なんですかいきなり!」